Q&A

Q&A

ここでは、戦略コンサルタントというお仕事に対し、よくわからないという経営者の方からご質問 (疑問) を受ける事がありますので、私の考えをまとめさせていただけたらと思います。

少人数で万人向けのサービス提供は困難なため、以下の内容を事前にご承知いただけますと、信頼関係も構築しやすく、結果的に料金以上の付加価値となりやすいと思います。

サービス Q&A

まずは、当サービスに関するご質問についてお答えいたします。

1.「コンサルティングの前に直接お会いしませんか?」

私の特段の強みは財務戦略です。推定需給に基づく財務予測モデル作成など、特定の専門分野に限れば他の方にそうそう後れを取ることはありません。一方で弱点は、人前で流暢に話すのが苦手なことです。プロとして己の強み・弱みを明確に把握しておくことで、お客様にピンポイントで高品質なサービス提供が可能になります。

そのため方向性が定まっていない状態でお会いしても、守秘義務の観点からご依頼内容と関係のないお話はしづらい事もあり、かえって誤解を生じやすいかなと思います。

2.「お電話番号を教えていただけますか?」

上記と同じ理由で、申し訳ございませんがお電話でのお問い合わせ・お仕事も承っておりません。

3.「直接お伺いしてもよろしいですか?」

お客様 (クライアント) へご訪問する形でのみ、格安でご提供できるサービスとなっています。オフィスを賃貸したり自宅を改装しても、私の場合は現状でメリットを感じないので、固定費を削減できて身軽な分、サービス価格を下げるようにしています。

家族が普通に暮らしているため直接いらしてもご対応はできません。ご理解の程よろしくお願いいたします。

4.「コンサルタントの責任の範囲は?」

これはお客様にとって非常に気になる点だと思いますので、出来るだけ詳細にご説明します。ただコンサルタントによって提供するサービス方針が異なり、一概には言えませんので、あくまで当方のサービスにおけるケースとお考えください。

私の場合、お仕事のご依頼を引き受ける前に、お客様の期待が満たされているかどうかを事前確認するため『チャーター』を作成します。チャーターとは、お客様との約束事を1ページにまとめた文書です。以下に、英語となりますが私の書籍でご紹介した事例を示します。目的・サポート範囲・主な活動・成果物・不可欠な成功要因についてリストアップしています。

Exhibit 2 - Preliminary Research & Analysis Charter
書籍『NINE LEADERS IN ACTION』より『Preliminary Research & Analysis Charter』

必要な個所は修正し、お客様とコンサルタントの双方が納得・合意した上で、正式にコンサルティング業務を請け負います。したがいまして、お客様とお約束したこのチャーターの範囲内において、コンサルタントは責任を負います。

英語の『Consultant』は『プロフェッショナルとして専門のアドバイスを提供する人』という定義ですので、当方の方針もそれに沿った形となります。例えば、申請書の書類作成など、実務に関わる代行業は行っておりません

私自身、会社員だった時は外部コンサルタントの方から専門家としての助言はいただきましたが、現場の実務は全て自分たちで行いました。なぜかと言いますと、外部コンサルタントは会社のお金を動かしたり、人事の権限がありませんので、結果に対する責任が取れないからです。プロジェクト成功には、様々な内的・外的要因が関わってきます。

本を購入してご自身のビジネスの参考とする場合をイメージしてみると良いでしょう。

実際に本を読んだからと言って、皆が著者のようにうまくいくわけではありません。仮にうまくいかなかったからと言って、著者本人を責める人はほとんどいないと思います。せいぜいその書籍に対して、低評価レビューを書く程度でしょう。本に記載された情報を参考とすべきかどうか、参考とするならどのように受け止めるべきかの意思決定は、読者に委ねられます。ノウハウ系の本ですと、運用結果について著者および出版社に対する免責事項が最初に記載されていることも多いです。どちらも情報を扱う仕事なので、著者をコンサルタント、読者をクライアントと置き換えてみると分かりやすいと思います。

双方が納得・同意の上であれば、私も含め多くのプロフェッショナルコンサルタントは十分な責任感を持って仕事を完遂するはずです。最も重要な事は、お客様のニーズがコンサルタントの提供する付加価値と合致している事です。ここがずれていますと、どんなに優秀な人であってもクライアントにご満足いただけるサービスの提供が困難となります。

疑問 Q&A

次に、コンサルタントとしての私に対するご質問 (疑問) についてお答えいたします。

1.「経営コンサルタントなのに儲かっていないの?」

まずこの疑問については、経営者や起業家の方など素朴に感じておられるようです。

私は現状儲かっていませんが、儲かるかどうかはプロセスを経た結果にすぎないと考えています。

大前提として、コンサルタントは他のお客様の事業をサポートしたり、課題解決することがお仕事となります。そのため、元々人助けが好きだったり、相手の気持ちを理解できる共感の心を持っていることが大事だと思います。

例えば私の場合ですと、性格的に経営者には向いていません。若い頃に起業に挑戦したこともありますが、結果素質が全くないとわかりました。その後、武士道や哲学を学んだ結果、自らの道を見出し、同時に社会との関わり方を模索してきた経緯があります。向上心などの内面的欲求は強い一方、困ったことにお金などの外面的な欲求があまりありません。

20代の頃にはボランティア活動を行い、生まれつき神経質で共感力が強いことを考えると、自分は経営者になるよりもコンサルタントやカウンセラーの仕事が向いていると思いました。

他の方の事情は分かりませんが、これが私の場合の真実です。

2.「経営の実績はあるの?」

私は過去に新規事業の立ち上げで失敗した経歴はありますが、成功した実績はありません。その理由は前段でご説明した通りです。

率直に「世の中でどれだけの経営コンサルタントが実際に経営の実績を持っているのかな?持つ必要があるのかな?」と疑問に思っています。

例えば、一流企業に助言するような大手コンサルティング会社、マッキンゼー・ボストンコンサルティンググループ・アクセンチュアなどであっても、起業経験のないコンサルタントがCEOに助言します。それでもそれら企業がコンサルティング会社に大金を支払う理由は、彼らのサービスに付加価値があり、市場需要が実際に存在するからです。

ただし、大手で働くコンサルタントはたとえ経営実績が無くとも、採用段階で厳しい篩にかけられ、さらに結果を出し続けなければ会社にいられませんので、他社へのビジネスアドバイスという意味ではたくさんの成功実績を持っている優秀なコンサルタントであるということは言うまでもありません。

また、ビジネスの観点からも一応ご説明しますと、経営実績のある方がコンサルタントを行うとすれば、それは社会貢献などのボランティア精神からだと思います。なぜかというと、コンサルタントは労働集約的な仕事のため、規模の経済を生かしにくいという特徴があるからです。売上や利潤を追求するビジネスとしては効率が良くありません。個人の信条など相応の理由がない限り、本業で儲かっているのにわざわざコンサルタントになる必要はないと思います。

3.「経営コンサルタントに興味があります。ご相談してもよろしいでしょうか?」

「経営コンサルタントになりたい!」というチャレンジ精神、向上心は本当に素晴らしいと思うのですが、今の社会状況を考えますと自分は安易にお薦めすることはできません。

コンサルティングサービスは目に見えない以上、コンサルタント自身に相当の強みがあり、かつその強みをお客様に的確に伝えられる能力が必要となります。セールス力行動力も大事です。すべてを兼ね備えている人はほとんどいないと思いますので、差別化の意味でもどこかに特化する必要があります。

また、お客様はビジネスの最前線にいる経営者の方々です。「コンサルティング会社で働きたい」という事でしたら話はまた違ってきますが、「フリーのコンサルタントとしてやっていきたい」という事でしたら、信用がないため様々な意味で大変だと思います。仮に過去に立派な実績を持っていらっしゃっても、コンサルタントとして守秘義務の観点からそれを公に話すことができなければ、実質無名なのと変わりありません。それなりの覚悟は必要となります。

「前に進むには、何かを後ろに置いていかねばならない」

映画『インターステラー』運動の第3法則より