このページでは、こちらの『戦略コンサルティングQ&A』でのご質問に詳しく答えていきます。ご質問内容は、「『戦略』という言葉は様々なシーンで聞きますけれど、そもそも何なのでしょうか?」という事でした。
まず、『戦略』とは元々軍事学の専門用語です。その定義は時代・地域・分野によって異なっており、時には『政策』と同義語で使われる場合もあります。そこで、より一般的と思われる定義をコトバンクから引用します。
『戦略』とは?
① いくさのはかりごと。特に、戦いに勝つための大局的な方法や策略。戦術より上位の概念。
② ある目的を達成するために大局的に事を運ぶ方策。特に、政治闘争、企業競争などの長期的な策略。
ビジネスにおける戦略の意味となりますと、例えば『企業戦略(経営戦略)』であれば、大局的視野において持続的に会社が成長していくための方法の事を指します。それが『事業戦略』となれば、商品やサービスを新規開発する際の、事業の方向性や計画などを指します。
また、『戦略』の意味を正しく理解するためには、併せて分化した概念である『戦術』という用語も知っておく必要があります。戦術の定義を同じくコトバンクから引用します。
『戦術』とは?
① 作戦および戦闘を最も効果的に遂行するための術策。「戦略」の下位の概念。戦法。
② ある目的を達成するために取る手段・方法。
つまり、軍事上における戦術とは、戦略によって策定された現場作戦を効果的かつ効率的に実行するための術策となります。それがビジネスにおいては、個別事業レベルのプロジェクトを成功に導くための具体的手段・方法という事になります。
戦略無しの戦術、もしくは戦術無しの戦略では、勝てるものも勝てなくなりますので、現実には両方を考慮して戦っていく必要があります。
要は、企業の目的・進むべき方向を『使命(ミッション)』として定め、それを実現するための大局的方法を『経営戦略』としてまとめ、プロジェクト(作戦)を立ち上げ、そのプロジェクトを達成するための具体的な手段を『戦術』として定めれば、後は現場での行動(戦法)あるのみです。
ちなみに、ビジネスにおいては沢山の戦略カテゴリーがあります。
経営戦略(企業戦略)や事業戦略は、マーケティング・人材育成・オペレーション・営業・IT戦略など一通り含んでいます。ただし、ここで大事なことは、現実において会社の経営資源は限られている以上、どこに力を入れるかを経営戦略(企業戦略)や事業戦略によって明確化しなくてはならないという事です。
ですから、戦略を考える際は別個ではなく、全体的な繋がりを考えながら進めていく事が重要となります。