このページでは、こちらの『戦略コンサルティングQ&A』でのご質問に詳しく答えていきます。ご質問内容は、「コンサルティング会社には戦略系と会計系があると聞きました。貴社はどちらですか?」という事でした。
Q&Aでもお答えしましたが、当漸コンサルティングは戦略系のサービスを提供しています。ただし、戦略系とは言いましても、財務系サービスが苦手というわけではありません。現代はコンサルティング会社の間でもサービスが多様化しているから、昔のように戦略系・会計系として区分する事にはあまり意味が無くなっているという事まで書きました。
例えば、どのように区分されるのかと言いますと、以下の図のようになります。
戦略系コンサルティングファームとしては、『マッキンゼー・アンド・カンパニー』や『ボストンコンサルティンググループ(BCG)』などが有名ですね。
一方、会計系のコンサルティングファームですと、『アクセンチュア』や『デロイトトーマツ』などがよく知られています。
一般的に、戦略系ファームは経営戦略や事業戦略に特化してクライアントを支援します。そのため、会社としては規模が小さく、従業員数は少なめとなります。ただ、そうは言いましても、もちろん会計系やIT系などの専門人材は揃っています。そうでなければ、実行性のある戦略策定など出来るわけがないからです。
戦略系ファームの特徴としては、少数精鋭な傾向からか、個性豊かな人材が比較的多く、それを強みとして企業ブランド化している所もあります。
一方、会計系は別名『総合系コンサルティングファーム』とも呼ばれており、この名称からもご想像できる通り、企業の戦略構築から現場オペレーション支援まで、一社で一括して仕事を引き受ける体制が出来ています。ですから、会社の規模として考えますと、会計系コンサルティングファームの方が圧倒的に大きいと言えます。
特徴として、会計系ファームの方が様々なクライアントのニーズに対応できるというメリットを持っているのですが、その分多種多様な人材を沢山雇っているため、売上が多い一方でコストもかかりがちです。
以前、経営コンサルティング業界の市場規模を試算した時(※)には、売上で5倍くらいの差が両者にありました。ただし、人件費が非常に高く付くという点を考慮しますと、一般人が思っているほど営業利益率は高くない(であろう)という結論に至りました。
※ なぜ市場規模などを推計したかと言いますと、自分がコンサルティング事業を始める前に、大手のファームがどれだけ稼いでいるのかを知りたかったからです。どこのコンサルティング会社も自社株式を公開はしていないので、実際の財務状況を公に知る方法は現時点でありません。したがって、自分で計算いたしました。
コンサルティング業のように、人を増やさないと売上が中々増えない労働集約型のビジネスにおいては、会社の規模が大きいからと言って、必ずしも業界で優位に立っているとは限りません。規模の経済を活かしづらいからです。
それぞれに一長一短があり、戦略系・会計系でどちらが優れているというお話ではなく、クライアントが何を求めているかで決まります。
最後に繰り返しとなりますが、現在は多くのコンサルティングファームで戦略系や会計系という区分はしていないはずです。各会社のサービス内容などを調べ、ご自身のニーズと合っているかどうかの確認をしてからご契約をしましょう。