商品購入時に確認・同意を求められる長い利用規約には意味がある?

皆さま、こんにちは

今回は、商品やサービスを購入時によく確認・同意が必要となる利用規約等について書いてみたいと思います。

0-利用規約_文字

皆さまも利用規約を読む機会は度々あると思うのですが、その際、以下のような場面に出会った事がないでしょうか?

  • 商品を購入する手続きの最終ステップで、長い利用規約を確認するように促され、さらに同意を求められた
  • お金を払った後で、商品を利用する際の規約について確認・同意を求められた
    • つまり、規約に同意しないと購入した商品やサービスが使えないということ

取引・契約相手が大企業ほどこの傾向は強くなるようです。確かに世の中にはいろんな人がいますから、企業も変な言い掛かりを付けられないよう、あらかじめ規約を定めて予防線を張っておくのは現代社会において仕方のない事なのかもしれません。

しかし、現実においてどれだけの人が長い利用規約を全て読んだ上で商品を購入したり、契約を結んだりしているのでしょうか?データが無いのではっきりした事は言えませんが、おそらくほとんどの人はまともに読んでいないでしょう。

0-利用規約を読まないユーザー

1.利用規約にまつわる個人的エピソード

このような形で消費者に確認・同意を得る方法は、大きな潜在的問題を生み出している可能性があります。そこで、私のケースを事例にそれら問題点を洗い出してみようと思います。

1-1.商品購入時の最終ステップで求められる利用規約への同意

一つ目の事例は、ある商品を購入時の事です。いろんな類似商品がありましたので、機能・価格・評判・入手性など、様々な観点から何日も比較検討した上で一つの商品に絞り込み、申し込み手続きをする事にいたしました。

1-よく調べて比較検討している男性

企業のサイトで購入する商品を選び、オプションを選択し、支払方法を選択するまでは数分で済みました。しかし、最後のプロセスで長文の利用規約を延々と読む事を求められ、それに同意しないと購入できない旨が書かれていました。

半分くらいまでは真面目に読んだのですが、その時点で15分以上経っており、内容も別に客のために書かれているものではないと分かったので、面倒くさくなって読み飛ばしてしまいました。今さら考えを変えるわけにもいかず、もやもやしたまま購入する事になりました。

1-2.商品購入後に求められる利用規約への同意

二つ目の事例は、ある商品を購入した時の事です。もちろん内容や価格などについては、全て企業サイトに記載されているため、それらを全て読んだ上で購入の判断をしています。

お金はすでに支払っており、開封すればすぐ商品を使えるものと思っていたのですが、使用直前に利用規約への同意を求められました。前段落と同様、企業側が責任を持たないケースを事細かに説明しているだけで、特に客側にメリットのある内容ではありません。

1-責任を渡される棒人間

素朴な疑問として、「使用条件があるのであれば、なんでサイトの商品説明欄にあらかじめ記載しておかないのだろう?」と違和感を覚えました。

2.読まない利用規約に何の意味があるのか?

初めの方でも書きましたが、現実には商品・サービスを購入するたびにいちいち何十分もかけて利用規約を読んでいる人はまずいないと思います。実生活に支障が出てしまうからです。

したがって、特に問題が生じない限り、多くの人は「(利用規約とは)そういうものだ」と受け入れて生活しているものと思います。

これで損をするのは、読めと言われたら素直に読んでしまう真面目な性格の人です。人生、時間ほど貴重なものはないわけですが、真面目ゆえに見過ごせません。

2-真面目に書類を読んでいる女性

3.消費者の購買意欲を無くさないよう企業は対策をしている

購入手続き終了直前や、購入後に利用規約を見せて同意を求める理由は、前もって詳細な情報を見せてしまうと、「面倒くさいからいいや」と買い控えが起きてしまう事態を避けるためでしょう。

3-手続きが面倒くさくてどうでも良くなった消費者

したがって、利潤を追求するビジネスとして考えれば、購入直前もしくは製品使用直前に確認・同意を求めるのは合理的と言えます。

しかし、倫理道徳的にはどうでしょうか?消費者の退路を狭めて商品を買わせよう、もしくは商品を使わせ続けようとする手法はあまり誠実とは思えません。

アメリカでもこのようなビジネスのやり方を疑問視する意見が少しずつ出てきているようです。

参考までに他の事例として、私はまだ経験した事がありませんが、一度契約したサブスクリプションサービスを解約させないよう、わざと解約方法を分かりづらくしたり、問い合わせをしづらくしたりしているケースもあるようですね。

何でもかんでも「欧米がそうだから」と彼らのやり方を模倣すれば、そこから派生する問題も私たちは同じように経験する事になります。

4.最初にやった者勝ちの世界になっている

日本では近年『ステルスマーケティング』が問題になり、それを規制する新たな法律が作られました。

ステルスマーケティングとは、実際は裏でお金が動いているにも関わらず、インフルエンサーが中立な一消費者として特定の商品を紹介、お勧めするマーケティングの事です。規制前にそれを行ってきた企業は、うまく大衆の関心を捉えて莫大な収益を上げました。

4-インフルエンサーのイラスト

なぜそんな事になってしまうのかと言いますと、「法律に違反さえしていなければ何をやっても良い。儲かればそれで良い」と、倫理道徳が希薄だからと思います。

昔からサクラを使って似たような商売はありましたけれど、それがインターネットの普及によって規制しなければならないほど問題が大きくなってしまったという所でしょうか。いずれにしろ、最初にやった者勝ちの世界になっています。

4-サクラを使った悪徳商法イラスト

日本人としては、渋沢栄一の経営哲学『倫理道徳と経済活動の一致』をもう一度見直したい所です。持続的に繁栄可能な社会とするためには、倫理道徳を土台とし、公益を念頭においてビジネスを進めていく事が重要となるからです。

4-ハートとお金の天秤

近江商人の経営哲学にも『三方よし』という似た考え方があります。『三方よし』とは、「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という教えの事です。さすが近江聖人、中江藤樹を輩出した地域と思います。

補足:近江とは現在の滋賀県のことです。

そして、それらを今風に言い直したものが、グローバルな社会的使命であるSDGs(持続可能な開発目標)となります。

4-SDGs-17の達成目標シンボルセット
SDGs:17の達成目標

SDGsの中で、特に11番の「住み続けられるまちづくりを」という目標と、12番の「つくる責任 つかう責任」という目標が、今回の記事の主旨に当てはまるかと思います。

5.利用規約に関する現状の問題点を洗い出し

ここで、先にご説明した私個人の事例を基にして、利用規約に関する問題点をまとめたいと思います。

5-1.利用規約の文章が長すぎる問題について

一つ目は、利用規約の文章が長すぎるため、読むだけで何十分もかかるという問題です。真面目な人ほど損をする結果となり、社会的および経済的損失は大きいと考えます。

5-情報量が多くて混乱している棒人間

5-2.不適切なタイミングで利用規約の確認・同意を求める問題について

二つ目は、不適切なタイミング、つまり商品購入手続きが終了する直前や、購入後の使用直前に利用規約の確認・同意を求める問題です。企業とすれば、自社商品を出来るだけ消費者に購入してもらいたいけれど、同時にリスクは極力取りたくないので、そのような販売プロセスにしているのでしょう。理屈としては理解できますし、法律を違反しているわけではありませんが、倫理道徳的にはおかしいと感じます。

5-パソコンの前で茫然としている女性

6.意味のある利用規約とするための解決策案

以上の問題に対し、私からは解決策として三つ提案があります。

一つは、事前に利用規約を確認・同意しないと、企業の商品やサービスが使用できないという事であれば、商品説明欄に初めからその旨を掲載しておくように法改正する事です。

次は、各業界内で標準となる基本的利用規約を定め、ウェブサイトで公開します。リンクを貼り付ければそれで済むので、紙の節約にもなりエコな社会に寄与します。例えば、「この商品を利用する際は、○○が定めた△△に記載されている基本規約に同意するものとする」のような感じで商品説明欄に掲載します。このようにしますと、一度読めば内容が分かるようになるため、他企業の類似商品を購入するたびに一々読み返す必要がなくなります。消費者の視点で見ますと、時間の節約という大きなメリットが生じます。

最後に、企業独自で利用規約をどうしても掲載する必要がある場合は、例えばですが、音読で10分以内に読める文章量(文字数で制限しても良いですが)となるよう規制をかけます。黙読だと人によって文章を読むスピードは全く異なってくるので、音読である事が重要に思います。企業の責任回避のために内容が長文化し、毎度それを消費者に読ませるのは、社会全体にとって不利益以外の何物でもありません。

7.まとめ

以上となります。今回は長文化の傾向がある商品購入時の利用規約について、その問題点および解決策について私の個人的体験を基に論じてみました。

問題点は二つあります。文章が長すぎるという事と、不適切なタイミングで確認・同意を求められるという事です。

それらを解決するためには、全世界で推進しようとしているSDGs(持続可能な開発目標)の概念を皆がしっかりと理解し、実行に移す事が大事と考えます。金儲けのだしで終わらせてはいけません。

もしくは、方向性としては同じなので、渋沢栄一の経営哲学『倫理道徳と経済活動の一致』や近江商人の『三方よし』の考え方を実践しても良いでしょう。答えは一つではないのです。

具体的な解決策といたしましては、私個人としては好まないやり方なのですが、法律である程度規制する必要も出てくるかもしれません。

例えば、事前に利用規約の確認・同意が必要であれば、商品説明欄にあらかじめその旨を記載したり、各業界で標準となる内容を定めてそれをウェブサイトで公開したり、企業独自で規約を掲載したい場合は文章量を制限したりします。

理想とすれば、個々の企業・団体が倫理道徳・公益に基づいて自主的に行動・改善していく事を望んでいます。

おわり