『経営戦略コンサルティングサービスの初期仮説構築』についてのコラム掲載とその小話

皆さま、こんにちは

第7回目のコラム『経営戦略コンサルティングサービスの市場需要とは?初期仮説を構築』をマイベストプロ様で掲載しましたので、お知らせします。以下のツリー構造ですと、水色でハイライトされた部分となります。

経営戦略コンサルタントに興味ある人のためのコラム紹介概要チャート-市場需要とは?初期仮説を構築
コラム紹介ツリーチャート:経営戦略コンサルティングサービスの市場需要とは?初期仮説を構築

掲載コラムに関する小話

前回から一か月以上時間が空いての記事更新となります。ビジネスとして考えますと、もっと頻繁に記事を書くべきなのですが、コンサルタントは自分自身が資本であり商品でもあるので、己を高め・深める学問にもある程度時間を割く必要があります。自らの成長速度を考えますと、そんなにポンポン独自性のあるコンテンツは生まれてこないので、これくらいの更新頻度で現実的にはちょうど良いのかもしれません。

1.経営戦略のノウハウは必要とする人だけが学べばよい

今回コラムでご紹介しました、問題の洗い出しから顧客ニーズを抽出し、市場需要を想定して仮説を構築する過程は、中には面倒だと感じる方もいらっしゃると思います。それはその通りで、人によっては必ずしも必要な事ではありません。極端な話、経営者やプロジェクトマネージャーなど、ご自身で意思決定が可能な方であれば、そもそも自ら責任を負われる立場ですので、自己流による自由な経営・マネージメントでも全然構わないと思います。

2.経営戦略スキルは企画提案時の意思疎通にも有効です

しかしながら、一般の社員や私たちコンサルタントの場合は、そういうわけにもいきません。良いアイデアなり、提案があったとしても、それがうまく意思決定者や上司に伝わらなければ意味がないからです。自信を持って作成した事業または商品企画がまともに取り上げてもらえず、悔しい思いをしたことはおそらく誰でもあると思います。そのような状況が繰り返されますと、特に社員の方は仕事に対するモチベーションも下がってきます。実際、私はそのようなケースを沢山見てきました。何度か社員のご相談に乗ったり、経営者の方に助言をしたこともあります。

このような経験があるからこそ、今回ニーズや需要に基づく仮説構築の過程をご紹介することに思い至りました。良い提案がある時、論理思考の基本的な流れを知っていれば、プレゼンの際に役立つと思ったからです。

3.経営者の関心事はその提案が売上につながるかどうかにある

経営者をはじめとする、意思決定権を持つ立場の人にとって、社員や部下または外部コンサルタントに期待する役割とは、現場の仕事以外では何があるでしょうか?多忙な経営者にとって一番の関心事であり、期待している事は、提案されたアイデアや企画がちゃんと売上につながる事です。

いくら独創性のあるアイデアであっても、結果として売上にどれほど貢献するか分からなければ、それ以上の経営判断をしようがありません。仮に、そのような一見荒唐無稽に思われる提案内容であっても、アイデアそのものに中身があれば、経営戦略のスキルを使って企画の現実性および実現性に説得力を持たせることが可能となります。

補足:
ご存知の通り、売上に影響を与えるパラメータとは販売量販売単価の事です。そして、販売量とは顧客視点で見れば市場需要の事を指しています。今回市場需要を中心に仮説を構築した理由は、需要の多寡によって売上が直接変化する、最重要パラメータの一つだからです。

4.大企業が大手戦略ファームを雇う理由は費用対効果が高いから

次に、戦略コンサルタントについても考えてみましょう。一般に大企業では経営戦略の技能を持った人材を求めています。しかし、なぜ経営リソースが潤沢なはずの大企業が、自社で戦略系の人材を育てる代わりに、大手戦略ファームを雇うケースがあるのでしょうか?

それにはちゃんと理由があります。

主な理由を一つ挙げますと、戦略分析や洞察には高度なスキルが必要ということがあります。しかし、それら経営戦略のスキルは、企業で働く多くの社員にとって、常に必要とされるわけではありません。毎回プロジェクトマネジメントに関わるような立場の人はいざ知らず、普通社員として求められるのはどちらかというと、ジェネラリストではなく、DXなど高度な専門的スキルを持ったスペシャリストです。(お金や時間をかけてまで)社員の方がご自身で戦略スキルを学び、情報収集や分析をすることは必ずしも現実的とは言えません。したがって、クライアントが大企業の場合は、外部の有名大手戦略コンサルティングファームに仕事を依頼するケースがあるのです。

注:
上記はあくまで、クライアントが大企業の場合となります。中小企業のケースでは、自社での経営戦略および財務分析の人材育成には、(大企業ほどの複雑さは求められないので)大きなメリットがあると感じています。だからビジネス戦略コーチングサービスを私も提供しようと思いました。

5.戦略分析は時間がかかるので、外部のプロを雇った方が良い場合がある

今回の仮説構築や検証を前提とした分析は、私に様々な示唆を与えてくれました。しかしながら一方で、モレなしダブりなし(通称MECEと言います)での包括的考察は、時間もそれなりにかかると改めて気づきました。

次回のコラムで掲載予定の、市場規模の試算や洞察内容を実際にご覧いただきますと、ご自身で(スキルを学んで)戦略分析をするよりも、ご多忙な場合は、外部コンサルタントを雇った方が費用対効果も高い、という事が分かっていただけるのではと思います。

追記:
次回のコラムは現在『経営戦略コンサルティングサービスの市場規模とは?需給分析による試算と洞察』としてすでに掲載されています。

6.プロのコンサルタントはクライアントへの『コミットメント』に特徴がある

それと、「経営戦略コンサルタントなのになぜお金を稼げていないの?」という疑問にも、次回のマイベストプロ様でのコラムをお読みいただければご納得いただけるかもしれません。

戦略コンサルタントは人様のビジネスをサポートする以上、自社の利益やお金儲けを必ずしも最優先とはしていないのです。

例えば、もし自社のマーケティングを優先するのであれば、マイベストプロ様で掲載しているコラム内容も変わってきます。現在のように、あれだけビジネスノウハウを詰め込んだ内容とする必要はないのです。

戦略コンサルティング(およびビジネス戦略コーチング)を生涯の仕事とするため、目先の損得よりも、自分の本心に従って行動しています

なぜ大手戦略コンサルティングファームに沢山の需要があるかといいますと、その一つの理由として、私は戦略コンサルタントの顧客に対する強いコミットメントにあると思っています。コンサルタントの利益と、クライアントの利益が相反した場合、プロのコンサルタントはクライアントの利益を優先します。このような顧客への強い奉仕に関するエピソードは、過去に何度かお聞きした事があります。だからこそ、クライアントは高額な料金を支払ってでも、大手戦略ファームに仕事を依頼するのだと私は理解しています。

以上のように、経営戦略コンサルタントと経営者では、果たすべき役割および求めているものが本質的に異なる場合があります。立場が違うからこそ、付加価値も生まれてくるのでしょう。少なくとも私は、プロとして仕事のプロセスを大事にし、お金を稼げるかどうかはその結果だと考えています。利潤追求を至上目的とはしていません。

まとめ

今回の小話はここまでとします。

なぜ仮説を立てるのか、そしてなぜ構築した仮説を検証するのかが、今回掲載したコラムでちゃんと読者の方に伝わっていれば、目的は達成したと言えます。

文章が毎回長くなってしまうのは、その都度全力で書いているからです。情報に溢れ、何が真実か分かりづらい世の中だからこそ、本当に価値があると信じている内容を書くようにしています。

沈黙は金なり」ということわざがありますが、黙っていることは時に金ほどの価値を持つそうです。私も本来は静寂や平安を好む人間です。でも、だからこそ、浮ついた世の流れにどうしても抗いたくなります。それは「人生とは何か」と自らに問うような、真理への探究心や反骨心が人一倍あるからでしょう。自分でも不器用な人間だと思います。

次回のコラムでは、今までの内容から市場規模を推計し、そこから洞察を導き出します。

以上、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。